採用手法
採用活動
2026.1.19
この記事の監修者:
株式会社アズライト 佐川稔

「求人は出しているのに応募が来ない」「求める層と出会えない」
採用活動において、このように悩む企業は少なくありません。
特に転職市場では人材獲得競争が激化し、従来の採用手法だけでは限界を感じるケースも増えています。
そんな中、短期間で多くの求職者と直接接点を持てる手段として注目されている手法に「転職フェア」があります。対面・オンライン・総合型・特化型など多様な形式があり、ターゲットに応じた選び方や活用方法が成果を左右します。
今回は、転職フェアの基本から種類・開催形式・出展費用・成功のコツまで、企業が成果を出すための実践的なポイントを網羅的に解説します。出展を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

転職フェアは、複数の企業と転職希望者が一堂に集う合同説明会形式の採用イベントで、企業ごとに設けられたブースにて、求職者との対話を通じて自社の魅力やカルチャーを直接伝えることが可能です。
求人票やWeb上の情報だけでは伝わりにくい現場の雰囲気を共有できるため、ミスマッチの抑制にもつながります。
さらに、近年はオンライン形式の開催も広がり、地域を問わず求職者との接点を持つ手段としても注目されています。
来場者は「今すぐ転職したい層」だけでなく、「良い企業があれば話を聞きたい」と考える潜在層も含まれるため、短期間での母集団形成を目指す企業にとって転職フェアはおすすめの手段です。

転職フェアと一口に言っても、その種類は多岐にわたります。ここでは主な転職フェアの種類について解説します。
総合型転職フェアは、業界や職種を問わず多くの企業が集まる大規模イベントです。
参加者の目的は業界研究や比較であることが多く、幅広い層との接点を得やすいため、母集団形成に効果的です。企業側は短期間で多くの候補者と接触でき、初期選考の手間を削減できます。
また、想定外のスキルを持つ人材との出会いも期待できます。一方で来場者の転職意欲に差があるため、導線設計や資料の工夫が欠かせません。多様な人材と効率よく出会いたい企業に適した転職フェアの種類です。
特化型転職フェアは、業界・職種、または年齢層・性別・語学力などの属性に絞って開催されるイベントです。IT人材向けや、女性のキャリア支援に特化したフェアがその一例です。
来場者のスキルや志向性が明確なため、効率的な母集団形成につながり、歩留まりの改善も期待できます。訴求内容をテーマに合わせて整理しやすく、自社の強みを的確に伝えやすい点も魅力です。
特定人材の採用を急ぐ企業や、戦略的に人材を確保したい企業にとって、有効な転職フェアの種類と言えます。
地域特化型転職フェアは、特定の都市や地域に焦点を当てた採用イベントで、地元企業とその地域で働きたい求職者を結びつける手段として活用されています。
地方での人材確保や、Uターン・Iターン希望者へのアプローチを重視する企業にとって有効です。参加者は勤務地に対する意欲が高く、ミスマッチが起きにくいため、定着率向上にもつながります。
また、地域の暮らしや文化を伝える場にもなり、採用広報とエリアプロモーションの両立が可能です。地方採用を強化したい企業に適した転職フェアの種類といえます。

転職フェアは、開催形式によって得られる効果や接点の質が大きく異なります。ここでは、転職フェアの主な開催形式とその違いについて解説します。
対面型の転職フェアは、求職者と直接会話できる貴重な機会です。
応募前に人柄や熱意を見極めたい企業にとって有効であり、ブースを通じて面談や面接日程の調整もその場で行えます。表情や反応を確認しながら対話できるため、歩留まりの改善やミスマッチ防止にも役立ちます。
一方で、開催する際は準備や人員配置、会場費などのコストが発生するうえ、混雑によって待機時間が生じる可能性もあります。短期採用を目指す場合は、ターゲット層との相性を踏まえ、他形式との併用も検討しましょう。
オンライン型の転職フェアは、コストを抑えつつ多様な求職者と効率よく接点を築ける開催形式です。
Web会議システムや専用プラットフォームを活用することで、全国どこからでも参加可能となり、移動や会場準備といった負担を軽減できます。チャットやビデオ通話による個別対応も容易で、時間や場所に縛られない柔軟な運営が可能です。
さらに、参加者の履歴や反応を可視化・データ化できるため、採用活動の分析にも役立ちます。
一方で、企業の雰囲気が伝わりづらく偶発的な出会いが生まれにくいため、対面型と併用することで相互の弱点を補う運用が効果的です。

転職フェアへの出展は、短期間での母集団形成や採用スピードの向上だけでなく、潜在層への認知拡大や企業ブランディングにも貢献する施策です。
ここでは、企業が転職フェアに出展することで得られる主なメリットについて解説します。
転職フェアの大きなメリットは、通常の採用チャネルでは接点を持ちにくい多様な求職者層にアプローチできる点です。
求人広告やエージェントでは届かない層とも、イベントを通じて直接対話することが可能です。特に大規模なフェアでは、年齢や職種・業界経験の異なる人材が集まりやすく、新たな層との出会いが期待できます。
選考の幅が広がるだけでなく、思わぬ人材とのマッチングにつながることもあり、採用力を強化したい企業にとって有効な手法です。
転職フェアは、転職を積極的に進めている人材だけでなく、「良い企業があれば話を聞いてみたい」と考える潜在層にもリーチできる点が大きなメリットです。
こうした層は、求人広告やスカウトでは反応しづらく、企業側からの接触が難しい場合も少なくありません。フェアの場であれば、偶然の立ち寄りやカジュアルな会話を通じて関心を引き、自社への理解や関心を高めるきっかけが生まれます。
短期採用だけでなく、今後の採用候補となる関係性づくりにもつながるため、採用戦略全体の強化に貢献する取り組みとして位置づけられます。
転職フェアのもう1つのメリットは、多くの求職者と短時間で直接対話できる点にあります。
オンライン面談や書類選考では伝わりにくい印象や対人スキルを、その場の会話を通じて把握できるのは、企業側にとって貴重な機会です。
また、現場社員や採用担当者が対応することで、業務内容や職場の雰囲気を臨場感を持って伝えられます。
求職者側にとっても、気になる点をその場で質問できるため、応募意欲の向上が期待できます。対面での接点を通じて歩留まり改善を図りたい企業にとって、転職フェアは非常に有効な施策といえます。
一般的な採用フローでは、書類選考から面接までに時間がかかり、その間に候補者が離脱するケースも珍しくありません。また、面接日程の調整や連絡業務も担当者の負担となります。
一方、転職フェアではその場で面談やヒアリングを実施できるため、初期のスクリーニングを迅速に行えます。求職者の印象や適性をリアルタイムで把握できることから、その後の選考もスムーズに進みやすいです。
特に短期間で人材を確保したい企業にとって、転職フェアは即戦力採用を後押しする有効な手法といえます。
転職フェアは採用の場であると同時に、企業ブランディングを強化する絶好の機会にもなります。
会場では、ロゴやパンフレット、スタッフの対応を通じて、自社の価値観や雰囲気を視覚的かつ体験的に伝えられます。他社と並ぶことで業界内での存在感を高められる点も魅力です。
また、転職意欲が高くない層に対しても、「印象の良い企業」として記憶に残る可能性があり、将来的な応募や紹介につながることも期待できます。中長期的にブランド価値を高めたい企業にとっても、有効な手法といえます。

転職フェアは短期採用や母集団形成に効果的な手法として注目される一方で、出展企業側も一定の負担を抱えることとなります。
ここでは、企業が転職フェアに出展する際に考慮すべき主なデメリットについて解説します。
転職フェアへの出展は、当日の対応だけでなく、準備段階から多くの手間がかかります。ブース装飾やパンフレットの制作、資料の整備に加え、当日の役割分担や動線設計も計画が必要です。
さらに、現場で求職者対応を担うスタッフの選定や研修も発生するため、通常業務との並行運用には大きな負担がかかります。
特に採用部門の人員が限られている企業では、拘束時間や準備工数の多さが明確なデメリットです。こうした背景を踏まえると、成果を高めるために目標設定と準備工程の最適化が欠かせません。
転職フェアに出展する際は、出展料のほか、ブース装飾や資料制作、ノベルティ、人件費などの費用も発生します。
イベントの規模によっては1日で数十万円以上かかる場合もあり、短期採用を目的とする施策としては負担が大きいです。
さらに、成果を得るうえで重要なのは、集客力のあるフェアを選ぶことと、自社の魅力を適切に伝える工夫です。限られた予算で母集団形成を行いたい企業にとって、こうしたコストは明確なデメリットとなるため、費用対効果を見極めることが求められます。

転職フェアの出展料金は、開催エリアやブース規模、広告の有無により大きく異なります。主な相場や事例は以下のとおりです。
区分 | 料金相場の目安(税抜) | 備考 |
|---|---|---|
一般的な出展料金 | 40万円~130万円程度 | 都市部・大型ブースでは130万円前後も |
web広告セットプラン | 85万円~150万円程度 | 広告露出込みで単価が上がる傾向 |
type/doda等の大手主催 | スタンダード:140万円前後 | 過去実例あり。複数日出展で割引も |
dodaフェア(都市別) | 東京・大阪・名古屋:70万~210万円 | ブースサイズにより変動(ミニマム~プレミア) |
オプション費や交通費なども加算されるため、総額はさらに膨らみます。ターゲット層との接点や費用対効果を見極め、最適な出展を判断しましょう。

転職フェアは、ただ出展するだけでは十分な成果を得ることは難しく、事前準備から当日の運営、アフターフォローまで一貫した戦略が求められます。
ここでは、転職フェアを成果につなげるために企業が押さえておきたい具体的なコツについて解説します。
転職フェアは開催ごとに集まる人材の属性が異なるため、自社の採用ターゲットに合ったイベントを見極めることが成果につながる第一歩です。
たとえば、第二新卒向けやエンジニア特化型、地域密着型など、フェアごとの特徴によって来場者の傾向も変わります。ターゲットとずれたイベントに出展すると、歩留まりや費用対効果の面で非効率になる恐れもあります。
そのため、採用したい人物像を明確にし、複数の候補を比較検討することが重要です。あわせて、過去の来場者属性や実績を主催者に確認しておくことで、判断の材料とすることができます。
レイアウトや装飾の工夫によって、求職者にブースで足を止めてもらうことも重要です。通路側から視認しやすい位置に社名やキャッチコピーを掲示することで、注目を集めやすくなります。
また、ブース内の動線や座席の配置にも配慮することで、入りやすい雰囲気が生まれます。企業カラーや写真を活用して第一印象を強化すれば、ブース全体の訴求力向上も可能です。
さらに、事前に会場の配置図を確認しておくと、他社との位置関係や来場者の流れを想定した設計が行いやすくなります。こうした準備が、来場者との接点を最大化するポイントとなります。
転職フェアでは、ブース前を通過する求職者に対して積極的に声をかけることも効果的です。
明るく笑顔で挨拶を行い、「〇〇職に関心はありますか?」といった具体的な問いかけをすることで、相手の興味を引き出せます。呼び込み専任のスタッフを配置することで、説明担当者との役割分担が明確になり、現場の対応も円滑に進みます。
さらに、求職者に「この企業は自分を歓迎している」と感じてもらえるような言葉選びやトーンも意識しましょう。短時間の接点でも印象を残せる工夫が、次のステップへとつながる導線となります。
転職フェアの成功は、当日の運営だけでなく、事前準備の段階からすでに始まっています。
たとえば、会社案内や求人資料、名刺、装飾品といった備品に加え、スタッフ間での役割分担や説明内容のすり合わせ、さらには交通手配まで、あらかじめ段取りを明確にしておくことが求められます。
フェア開催の1ヶ月前を目安にスケジュールを逆算し、チェックリストを用いて準備状況を可視化しておくと安心です。対応が後手に回ると、当日の進行にも支障をきたす恐れがあるため、余裕を持った進行管理が欠かせません。
転職フェアに来場する求職者の多くは、「どんな職場環境か」「未経験でも応募できるのか」など、具体的な不安や疑問を抱えています。
そうした心理への配慮を示すうえでは、表情や発言から関心や懸念を読み取り、それに丁寧かつ的確に応じる姿勢が欠かせません。あらかじめよくある質問を想定し、FAQを準備しておくと、回答の精度と対応の迅速さが向上します。
また、ブースで応対する社員の第一印象も重要な要素です。落ち着いた雰囲気の中で自然に会話ができるよう工夫し、安心感を持ってもらえる対応を心がけることが、信頼の獲得につながります。
ブースでの会話が終わった後は、求職者の意欲が高まっているうちに、次のステップへと自然に誘導することが大切です。
「この後、オンライン面談はいかがですか」や「近日中にご都合のよい日程はありますか」など、具体的な提案を行えば、行動への移行を促しやすくなります。その場で連絡手段を確認し、フォロー体制についても明確にしておくことで、離脱のリスクを下げられます。
あらかじめ面談枠や選考フローを整理しておけば、会話の流れもよりスムーズです。
転職フェアは、短期間で多くの求職者と接点を持てる有効な採用手段です。開催形式や種類も多様で、採用ニーズやターゲット層に応じた活用が成果を左右します。
対面型・オンライン型それぞれの特性を理解し、出展前の計画・ブース設計・当日の対応、そしてアフターフォローまで丁寧に取り組むことが、応募数や歩留まり改善につながります。
メリットだけでなく工数やコスト面のデメリットも考慮しながら、最適な活用方法を見極めていきましょう。
自社では難しいと感じた場合は、人材採用のプロであるアズライトに相談しましょう。転職フェアについて的確にアドバイスしてくれます。

この記事の監修者
株式会社アズライト 佐川稔
株式会社アズライト代表取締役。採用がうまくいかない優良企業を採用できる企業へ改革するために、戦略・運用に特化した採用コンサルティングファーム「株式会社アズライト」を創業。キャリアに悩む方々のために就活・転職相談BAR「とこなつ家」を池袋にて共同経営中。
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