採用手法
採用方法
2026.1.29
この記事の監修者:
株式会社アズライト 佐川稔

「経営層や専門性の高いポジションの採用が思うように進まない」
このようなお悩みを抱える企業は少なくありません。
従来の求人手法では出会えない優秀人材を獲得する手段として、今あらためて注目されているのがエグゼクティブサーチです。
本記事では、その仕組みやメリット、費用相場、依頼の流れをわかりやすく解説し、人材紹介との違いも整理します。

エグゼクティブサーチは、企業の重要ポジションを担う経営層や高度専門職を、第三者が探索し紹介する専門サービスです。一般的な求人では接点を持ちにくい優秀な人材へ直接働きかけられる点が大きな特徴です。
企業の採用課題を深く理解したコンサルタントが、転職意欲を表に出していない潜在層へ丁寧にアプローチし、適性や経験を詳細に見極めます。
エグゼクティブサーチファームはこの領域を専門的に扱う組織であり、特に世界的に評価される「5大ファーム」と呼ばれる大手は、経営層ネットワークや精度の高い人材データを豊富に保有します。
高品質なマッチングにより、企業は戦略ポジションに適した人材を確実に確保でき、長期的な組織強化の実現が可能です。

エグゼクティブサーチが注目される背景には、経営環境の変化によって即戦力人材の確保が課題となる企業が増えている現状があります。通常の求人市場では優秀な候補者と出会う機会が限られ、採用競争が激化している点も大きな要因です。
エグゼクティブサーチは、転職意欲を外に示していない潜在層へ働きかけられるため、高い専門性を備えた人材の発掘につながります。
加えて経営層の交代や事業拡大など重要な局面でも迅速に候補者を確保できる体制が整えられ、組織の機動力を損なわずに人材補強が進むでしょう。
近年は日本企業でも利用が広がり、競争力を維持するための戦略的な採用手法として存在感が高まっています。

エグゼクティブサーチと人材紹介の違いは、対象とする人材層の深度やアプローチの精密さに大きな差がある点です。
エグゼクティブサーチでは、経営に影響を与える重要ポジションを担える人材を確保するため、転職意欲を表に出していない潜在層にも働きかけて多角的な視点で経験や実績を評価していきます。
一方、人材紹介は応募者を基点としたマッチングが中心で、候補者の幅は確保できるものの専門性や戦略性を深堀りする場面では限界が生じがちです。
エグゼクティブサーチでは、組織課題や将来の方向性を踏まえて要件を精緻に設計し、候補者探索から条件調整まで一連の工程を伴走するため、採用の再現性が高まり、重要ポジションの配置精度も向上します。

エグゼクティブサーチファームには大きく2つのタイプが存在し、それぞれのアプローチは候補者の質や採用スピードに大きく影響します。
自社の状況に合う手法を選ぶことで、競争が激しい重要ポジションでも最適な人材に出会いやすくなるでしょう。ここではその特徴と選び方について解説します。
リテイナー型は、専任チームが着手金を受けてから集中的に調査を進めるため精度の高い候補者発掘が可能で、経営層や高度専門職の採用に最も適した方式です。
例えば、候補者の職務履歴だけでなくリーダーシップスタイルや組織適性まで丁寧に検証でき、人物像の解像度が高まります。
また、企業側は定期的な進捗報告を受けて方針を調整でき、採用の実現性を確保しやすくなります。このような精密なプロセスのため重要ポジションで多く採用されています。
コンティンジェンシー型は成功報酬型で、短期間で候補者を確保したい企業に適した方式です。
採用が決まってから報酬が発生するため、複数のファームに依頼して候補者層を広げやすい点が特徴です。例えば、急な欠員補充や中間管理職など即戦力を求める場面でよく利用されます。
一方で、リテイナー型ほど詳細なリサーチは行われないため、精度よりスピードを重視したい採用に向いています。目的に応じて適切に選ぶことが大切です。

エグゼクティブサーチでは、優秀人材を見つけるために精度の高いアプローチが用いられます。
一般的な採用手法では接点のない転職潜在層へも働きかけられる点が大きな強みで、直接アプローチや蓄積データ、人脈などを組み合わせて候補者を探し出します。各手法の特徴を理解することで、企業はより効果的にファームを選択できるでしょう。
ここでは代表的な手法について解説します。
まず理解しておきたい手法に、エグゼクティブ採用で活用される「ヘッドハンティング」があります。
企業が求める条件に合う“現役で活躍する人材”へ直接アプローチする方法で、一般的な求人では接点のない転職潜在層にもリーチ可能です。そのため、経営幹部候補や高度専門職などの採用難度が高い領域で効果を発揮します。
市場価値の高い人材に的確に接触し、必要なスキルや経験を備えた候補者へ確実にアプローチできる点から、エグゼクティブサーチにおいて重要な手法とされています。
サーチファームが強みとしている手法に、長年の実績から蓄積した独自データベースの活用があります。業界や職種ごとの詳細なキャリア情報が整理されているため、企業の条件に合う候補者を迅速な抽出が可能です。
例えば、経験年数やマネジメント規模、専門スキルなどの条件で検索でき、採用までのリードタイムの短縮につながります。
精度の高いマッチングを実現できるため、採用ミスマッチを抑えられる点も大きな魅力です。
リファラルネットワークの活用もエグゼクティブサーチで重要な手法です。サーチファームが独自に築いた紹介ネットワークを通じて、信頼性の高い候補者に出会える点が強みです。
業界人脈やOB・OG、過去の候補者など多様なつながりから推薦を得られるため、人物面の情報も把握しやすく、企業との相性も判断しやすくなります。
特に役員クラスや高度専門職のように慎重な選考が必要な採用で効果を発揮し、質の高い潜在層へのアプローチにつながります。

エグゼクティブサーチには、通常の採用手法では得られない大きなメリットがあります。主に「転職潜在層へのアプローチ」「採用難易度の高いポジションの獲得」「採用ミスマッチの防止」の3点が挙げられます。
いずれも企業の採用成功に直結するため、戦略的な採用活動を行ううえで重要なポイントです。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
まず大きなメリットとして挙げられる点が、転職意欲を表に出していない「転職潜在層」にアプローチできることです。
通常の求人媒体では、応募者はすでに転職活動をしている人に限られます。一方でエグゼクティブサーチは、業界に詳しいコンサルタントが独自のネットワークや徹底したリサーチを活用し、潜在層へ直接働きかけます。
結果として市場に出てこない優秀な人材と接点を持てる可能性が高まり、採用の選択肢が大きく広がるでしょう。
採用が難しい重要ポジションにも強みを発揮できる点は、大きな導入メリットといえます。
経営層や高度な専門知識を求められる役職は、求人を掲載しても応募が集まりにくく、一般的な採用手法では対応しきれません。
エグゼクティブサーチでは、候補者のスキルや過去の実績を細かく分析し、企業が抱える課題の解決に直結する人材を丁寧に特定します。
組織の中心となる人材に出会える機会が増えるため、採用の精度が高まり、事業成長にもつながりやすくなります。
採用後のミスマッチを未然に防げる点も、エグゼクティブサーチを導入する大きな利点です。エグゼクティブサーチでは企業が求める人物像を丁寧にヒアリングし、候補者の価値観・行動特性・キャリア志向まで詳細に把握します。
スキルだけが合致しても価値観が一致しないケースを避けられるため、長期的に活躍できる人材を選びやすくなります。
結果的に早期離職のリスクを抑えられ、組織の成長を安定させやすくなる点は大きなメリットといえるでしょう。

エグゼクティブサーチの費用相場は、依頼するポジションの年収を基準に決まります。一般的な報酬は「年収の30〜35%前後」で、方式によって支払いのタイミングやリスクが異なります。
導入にあたっては、費用対効果や社内リソースとの相性を踏まえて最適な方式を選ぶことが重要です。
方式 | 支払いタイミング | 費用の考え方(相場の目安) | 向いているケース |
|---|---|---|---|
リテイナー型(前金方式) | 着手金(数百万円)+進捗に応じた分割+成功報酬 | ・総額は年収の30~50%程度が目安 | ・経営層など採用難易度が極めて高い場合 |
コンティジェンシー型(成功報酬型) | 採用決定後のみ支払い | ・報酬は年収の25~35%程度が一般的な成功報酬・初期費用なし | ・費用リスクを抑えたい場合 |

エグゼクティブサーチを成功させるためには、適切なやり方を理解し、流れを押さえて進めることが重要です。各工程が採用の精度に大きく影響するため、事前準備の質が結果を左右します。
ここでは「求める人材像の整理」「ファームへの依頼」「担当者との打ち合わせ」「候補者面談」について解説します。
まず取り組むべきは、採用したい人物像をできるだけ具体的に整理することです。要件が曖昧なまま依頼すると候補者の精度が下がり、結果として採用の成功率も低くなってしまいます。
スキルや経験に加えて、求めるリーダーシップスタイル、価値観、組織文化との相性まで言語化しておくことが重要です。
ここまで明確にすると、エグゼクティブサーチファームが要件を正しく把握して最適な候補者を提案しやすくなります。
次のステップは、整理した人材要件をもとにエグゼクティブサーチファームへ正式に依頼することです。
専門ファームに任せることで、自社では接点を持ちにくい転職潜在層にも効果的にアプローチできる点が大きな強みになります。
また、ファームごとに得意分野や業界知識が異なるため、自社の採用課題に適したパートナーを慎重に選ぶことが重要です。依頼後は、要件に合う候補者リストの作成や詳細なリサーチが段階的に進んでいきます。
依頼後は、候補者提案の精度を最大化するために担当コンサルタントと丁寧な打ち合わせを行います。
具体的には、組織課題や事業戦略や採用の背景だけでなく、ポジションが担うべきミッションや期待される成果、将来の組織構想まで共有して求める人物像を深くすり合わせます。
こうした情報提供が充実するほど担当者の理解が深まり、候補者選定の質が向上し、採用ミスマッチのリスクを大幅に減らすことにつながるでしょう。
最終段階ではファームが選定した候補者との面談を実施します。面談は単に経歴を確認するだけでなく、企業側と候補者の方向性や価値観が一致しているかを見極める重要なプロセスです。
また、担当コンサルタントが同席することで、第三者の視点から候補者の強みや懸念点を整理でき、判断材料をより正確に集められます。
この工程を丁寧に行うことで、経営層ポジションにふさわしい人材を確実に見極めやすくなり、採用の成功率も高まります。

エグゼクティブサーチファームを選ぶ際には、事前に確認しておきたいポイントがあります。適切な判断を行うことで、自社に合ったパートナーを見つけやすくなり、採用活動の成功率も高まるでしょう。
ここでは、依頼前に押さえておくべき重要なポイントをわかりやすく解説します。
まずは、エグゼクティブサーチの費用対効果をしっかり検討しましょう。
エグゼクティブサーチは一般的な人材紹介よりも費用が高い傾向がありますが、成功すれば組織改革の推進力となる人材を獲得できます。
例えば、年収の30〜35%がフィーとして発生するケースもあり、投資額は決して小さくありません。
費用が高いからこそ、採用ポジションの重要度や期待する成果を明確にし、適正な投資であるか慎重に判断することが不可欠です。
次に重要な点は、各ファームの特徴や強みを比較して検討することです。
同じエグゼクティブサーチでも、得意とする業界や職種、リサーチ方法、コンサルタントの専門性は大きく異なります。
例えば、外資系に強いファームや国内の経営層ネットワークを持つファームなど、特性はさまざまです。
選定時には、自社の求める人材像とファームの得意領域が一致しているかを確認し、ミスマッチを防ぐことが欠かせません。
最後に、エグゼクティブサーチだけに依存しないことも重要です。
専門性の高いポジションでは有効な手法ですが、状況によってはダイレクトリクルーティングやリファラル採用など、他の方法が成果につながる場合もあります。また、社内人材や既存ネットワークから適任者が見つかるケースも珍しくありません。
複数の採用手法の組み合わせによって候補者へのアプローチの幅が広がり、より適切な人材に出会える可能性が高まります。単一の方法に頼らず、全体を見据えた採用戦略を立てることが大切です。
エグゼクティブサーチは、経営層や専門領域のハイレベル人材を確保するために非常に有効な手法ですが、成果を最大化するには事前の準備と丁寧な判断が欠かせません。
費用対効果の見極め、各ファームの特徴比較、他の採用手法との併用を意識することで自社に最適なパートナーを選びやすくなります。また、採用背景や事業戦略と整合した取り組みを行うことで採用活動全体の質と成功率も着実に向上します。
まずは自社の課題や要件を整理し、最適な採用戦略を検討してみてください。継続的な改善を意識することで、より強い組織づくりにつながります。
とはいえ最適な採用戦略の立案はむずかしいですよね。そんな時は、採用のプロに相談すると解決できます。効果的な採用をしたいと考えている場合は無料相談をしてみましょう。

この記事の監修者
株式会社アズライト 佐川稔
株式会社アズライト代表取締役。採用がうまくいかない優良企業を採用できる企業へ改革するために、戦略・運用に特化した採用コンサルティングファーム「株式会社アズライト」を創業。キャリアに悩む方々のために就活・転職相談BAR「とこなつ家」を池袋にて共同経営中。
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