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エンゲージメント採用とは?共感を軸にした新時代の人材戦略ガイド

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2026.1.6

エンゲージメント採用とは?共感を軸にした新時代の人材戦略ガイド

この記事の監修者:

株式会社アズライト 佐川稔

「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう」「スキルはあっても、会社に馴染まない」

もし、あなたがこのような採用課題に頭を悩ませているなら、それは採用の「軸」が時代とズレているのかもしれません。

採用の「数」よりも「質」が問われる今、給与やスキルといった表面的なマッチングだけでは、人材の定着も企業の未来も描くことは困難です。

本記事では、企業理念や価値観への「共感」を重視した新時代の人材戦略であるエンゲージメント採用について徹底解説します

重要視される理由から、メリット・デメリット、そして具体的な導入プロセスや成功のコツまで、貴社が持続的な成長を築くために必要なノウハウを網羅的に紹介します。

エンゲージメント採用とは

エンゲージメント採用とは

そもそもエンゲージメントとは、直訳すると「約束」「契約」「関与」といった意味を持ちますが、ビジネスや人事の文脈では、個人と組織との間の精神的かつ感情的な結びつきの強さを指します。

そのため、エンゲージメント採用とは、企業理念や文化への深い共感を基盤とし、企業と個人が相互に信頼し合い、長期的な貢献を目指す採用戦略です。

従来の採用が「不足したスキルを埋める」という一方的なものであったのに対し、エンゲージメント採用は「企業と個人の価値観の合致」を重視します。

これにより、入社後の従業員が、与えられた業務をこなすだけでなく、企業活動に対して貢献意欲と愛着を持ち、主体的に成長を目指す関係性の構築を目指します。

エンゲージメント採用が重要視されている理由

エンゲージメント採用が重要視されている理由

エンゲージメント採用が現代の企業戦略で重要視される理由は、優秀な人材の早期離職を防ぎ、長期的な定着率を高める点にあります。

従来の採用はスキルや経験に焦点を当てていたため、入社後に企業理念や環境に共感できず、カルチャーミスマッチによる優秀な人材の退職という大きな損失が多発しました。

これに対し、エンゲージメント採用は選考段階から企業のビジョンや仕事の意義を深く共有し、候補者の企業へのエンゲージメントを高めます

候補者は「より良い給与」ではなく「この会社で成し遂げたいこと」という内発的な動機を持って入社するようになるのが、エンゲージメント採用の狙いです。

この共感は、社員に高いロイヤリティ(愛着)をもたらし、困難な状況でも自社の存在意義を自分事として捉え、主体的に課題解決に取り組ませます。

エンゲージメント採用のメリット

エンゲージメント採用のメリット

エンゲージメント採用は、単に人を採用するだけでなく、企業の持続的な成長に必要な強い組織の基盤を築き上げます。

ここでは、共感を軸とした採用戦略がもたらす、具体的なメリットを紹介します。

離職の可能性が低い人材を採用できる

エンゲージメント採用のメリットは、高い定着率、すなわち採用の質の向上にあります。

従来の採用ではスキルや経験が優秀な人でも、「職場の価値観や雰囲気が合わない」という理由で早期に転職するケースが多く、離職率を高める要因でした。

しかし、共感を軸とする選考は、候補者の「大切にしている考え方」と企業理念を深く照らし合わせるため、入社後のミスマッチを大幅に減らします

企業理念に共感して入社した社員は、強い愛着(ロイヤリティ)を持ち、困難でも「この会社のために」と主体的に動きます。この見極めの正確さこそが、長期的な定着率の向上を実現する、エンゲージメント採用の大きな効果です。

長期目線で戦力になる人材の採用が可能

エンゲージメント採用は、数年後、数十年後に企業を支える「真の戦力」となる人材の採用を実現します。

この採用手法が重視するのは、目先のスキルや経験ではなく、企業の文化・価値観へのフィット(共感)と長期的な成長ポテンシャルです。選考プロセスを通じて、候補者の企業へのエンゲージメントを高めることに注力します。

企業理念に深く共感している従業員は、自社の目的達成のため、与えられた業務以上のことに主体的に取り組み、自ら学び、成長していくものです。彼らは短期間の「即戦力」にとどまらず、高いロイヤリティを持って自律的に能力を伸ばし続ける人材へと育ちます。

社員の協力体制が構築できる

エンゲージメント採用は、企業全体に共通の価値観と目標を持つ社員を増やすことで、部署や職種を超えた強固な協力体制を築き上げます。

なぜなら、価値観の合致を重視して採用された社員は、「私たちは一つの目標に向かう仲間だ」という強い連帯感を抱きやすくなるためです。この共通意識こそが、部署同士の壁を取り払い、自然と協力し合える雰囲気を醸成します。

組織内で意見が対立した際にも、共通の目標に立ち返って建設的な議論を進めることが可能です。また、社員が安心して発言できる心理的安全性の高い環境を作り出すことで、活発な意見交換や、新しいアイデア(イノベーション)を促進します。

エンゲージメント採用のデメリット

エンゲージメント採用のデメリット

エンゲージメント採用は長期的なメリットをもたらしますが、導入には注意すべき課題やデメリットも存在します。

ここでは、特に企業が考慮すべき「時間」と「即時性」に関する主なデメリットを解説します。

育成に時間がかかる

エンゲージメント採用は、候補者の価値観やポテンシャルを重視するため、採用した人材がすぐに業務の成果を出せるとは限りません。

従来の即戦力採用と異なり、入社後のオンボーディング(受け入れ・定着プロセス)やOJTには、より多くの時間とリソースの投資が不可欠です。特に未経験者や新卒を採用する場合、企業理念に共感しているとはいえ、一人前の戦力となるまでに一定の教育期間とコストがかかります。

さらに重要なのは、社内の教育環境です。企業理念に共感した人材であっても、体系的な研修やメンター制度など、育てる体制が整っていなければ、その才能は開花しません。

これは、短期的な業績向上を最優先する企業や、教育体制が未熟な企業にとっては、大きなデメリットとなり得ます。

即戦力での採用は難しい

エンゲージメント採用は、特定のスキルを持つ即戦力人材を、スピーディーかつ効率よく採用するのは困難です。なぜなら、採用の軸がカルチャーフィットであり、スキルや経験の有無を最優先しないためです。

例えば、目先の重要プロジェクトを成功させるために、緊急で高い専門技術を持った経験者が必要な場合を考えてみましょう。共感度のみを重視する採用では、必要なスキル水準を満たせないリスクが生じます。

エンゲージメント採用だけに頼るとこのような短期的なスキル不足に迅速に対応するのは難しいです。

共感による採用だけでなく即戦力も求める場合は、スキルを重点的に評価する別軸の採用を組み合わせるなど、短期的なニーズと長期的な人材基盤のバランスを取る戦略が不可欠となります。

エンゲージメント採用の導入が向いている企業の特徴

エンゲージメント採用の導入が向いている企業の特徴

エンゲージメント採用は、既に高いスキルを持つ人材が集まっていても、「定着率の低さ」や「社員のモチベーション・主体性の欠如」といった課題を抱える企業に有効な解決策です。

なぜなら、エンゲージメント採用という手法が、給与や待遇といった外発的な要因ではなく、社員の内発的な動機に焦点を当てるからです。この動機こそが、社員間の連帯感と高いロイヤリティ(愛着)を醸成する鍵となります

採用活動自体をエンゲージメントを高める取り組みとして実践すれば、採用の精度が向上し、根本的なカルチャーミスマッチの解消につながります。さらに、組織全体の士気を高める効果も期待できる採用手法です。

その結果、社員は単なる「労働力」から「企業の未来を創る人財」へと変えることができます。

エンゲージメント採用導入・実施の流れ

エンゲージメント採用導入・実施の流れ

エンゲージメント採用を成功させるためには、従来の採用活動の考え方を変え、「共感の土台作り」から始める必要があります。ここでは、導入から実施までの具体的な流れを解説します。

自社の社員の共通点の洗い出す

エンゲージメント採用は「共感」を軸とするため、まず企業側が「何に共感してほしいか」を明確にする必要があります。

そのためには、活躍・定着している社員の持つ共通の価値観や行動原理を徹底的に洗い出す必要があります。全社員へのアンケート調査などを通じて、日頃の「やりがい」や「愛着」といった内発的な動機を定量的に把握するのが有効です。

洗い出した共通項こそが企業文化の中核であり、「採用すべき人材のペルソナ」を定義する鍵となります。

この基盤作りを経ることは企業にとって、自社が本当に求める人材像を明確にし、採用メッセージに一貫性を持たせるために不可欠なプロセスです。結果として「共感の精度」が向上し、後の選考プロセスにおけるミスマッチの大幅な軽減が可能になります。

社員からの発信を積極的に行う

エンゲージメント採用において、現場社員からの発信は、共感の質を高める上で欠かせません。採用担当者や経営層による公式な情報発信だけでは、企業の「いいところ」しか見えづらく、求職者との深い共感や相互理解につながりにくいからです。

具体的にはブログやSNS、就職サイトのインタビューや会社説明会の座談会などで、社員が自身の仕事へのリアルな想いやストーリーを語るのが効果的です。これにより、求職者は「働く自分」を具体的に想像しやすくなります。

この透明性の高い情報開示こそが、企業と求職者の間に真のエンゲージメントを構築し、入社後のミスマッチを未然に防ぐ鍵となります。

グループディスカッション・ジョブ型インターンシップを取り入れる

選考プロセスに、グループディスカッション(GD)やジョブ型インターンシップを組み込むと、採用の精度を高められます。

書類や面接だけでは、候補者のスキルは測れても、企業文化への適応能力や内発的な動機といった、エンゲージメントの核となる価値観は見えにくいものです。共感度を正確に測るためには、対話だけでなく行動を観察する必要があります

例えば、GDではチームでの協調性や価値観を、ジョブ型インターンシップでは実際の業務や職場の雰囲気を候補者に体感してもらいましょう。

この相互体験を通じて、企業側はポテンシャルや行動特性を深く評価でき、候補者側は入社後のリアルな姿を把握できます。その結果、入社後のエンゲージメントを最大化し、ミスマッチを未然に防ぐことで、定着率の長期的な向上へとつながります。

エンゲージメント採用を成功させるためのコツ

エンゲージメント採用を成功させるためのコツ

エンゲージメントを高めるためには、候補者を「スキルを持った労働力」として見るのではなく、「未来の仲間」として捉え、相互の価値観を深く照らし合わせる姿勢が不可欠です。

ここでは、実践すべき4つのコツを解説します。

自社の理念やバリューを明確に打ち出す

エンゲージメント採用の出発点は、「何に共感してもらうか」を明確にすることです。

採用活動を開始する前に、企業理念やビジョン、そして社員の行動指針となるバリュー(価値観)を、誰にでも理解できるよう具体的かつ魅力的に言語化し、採用ページや求人情報で明確に打ち出しましょう。この理念が曖昧では、候補者は内発的な動機を持つことができません。

重要なのは、候補者に「この会社の将来を通して、自分の夢や目標が実現できるかどうか」を深く確認し、納得してもらうことです。そのためには、採用メッセージや選考基準、そして面接官の行動の全てにこの理念を反映させ、一貫性を持たせましょう。

社員の生の声を伝える施策を展開する

透明性の高い情報開示は、共感を深める上で不可欠です。

採用担当者や経営層からの公式なメッセージだけでなく、現場社員による仕事のやりがい、失敗談、職場のリアルな雰囲気といった「生の声」を積極的に発信しましょう

ブログやSNS、社員インタビュー動画、座談会など、多様なチャネルを通じて情報を提供することで、候補者は入社後の自分を具体的にイメージしやすくなります。

このリアルな情報開示を通じて、企業に対する信頼度が高まり、ミスマッチを未然に防ぐ重要なステップとなります。

候補者と密なコミュニケーションをとる

エンゲージメント採用を成功させるには、選考プロセスを通じて候補者と密なコミュニケーションをとることが不可欠です。エンゲージメントとは、企業と個人が相互に働きかけ合う双方向の関係であり、信頼と安心感を築くには深い対話が必要だからです。

面接を一方的な評価の場ではなく、候補者の志向性や価値観を深く理解する「相互理解の場」としましょう。候補者の質問に丁寧に応え、企業の課題や厳しさといった正直な情報も開示することが大切です

この双方向のコミュニケーションを通じて企業への信頼感が高まり、内定後の辞退を防ぐための重要な鍵となります。

キャリアパスを具体的にイメージさせる

採用後の高いエンゲージメントと定着を実現するためには、候補者に入社後の具体的なキャリアパスをイメージさせるのがポイントです。

候補者は、企業理念に共感した上で、「この会社でどう成長し、自分の目標を達成できるか」という未来の確信を求めています。単にポジションや昇給制度を説明するだけでなく、入社〇年後のロールモデルを紹介したり、具体的な育成制度や研修プログラムについて丁寧に説明しましょう。

未来の働き方を具体的に描ける情報を提供することが、「この会社で長期的に貢献したい」という内発的な動機をさらに強固なものにします

エンゲージメント採用のまとめ

エンゲージメント採用は、企業の理念やビジョンへの共感を軸とする人材戦略です。

最大の価値は、カルチャーミスマッチによる早期離職を解消し、優秀な人材の定着率を劇的に高める点にあります。この戦略は、給与などの外発的要因ではなく、社員の主体性とロイヤリティ(愛着)を内発的に引き出し、組織全体の生産性を向上させます。

エンゲージメント採用を成功させるには、自社の価値観の明確化、社員によるリアルな情報発信、体験型の選考導入が不可欠です。今こそ、社員を「労働力」ではなく「企業の未来を創る人財」として迎え入れ、共感という強固な土台の上に持続的な成長を築き上げましょう。

採用でお困りのことがあれば、人材採用のプロフェッショナルであるアズライトに相談してみましょう。解決の糸口を発見できますよ。

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この記事の監修者

株式会社アズライト 佐川稔

株式会社アズライト代表取締役。採用がうまくいかない優良企業を採用できる企業へ改革するために、戦略・運用に特化した採用コンサルティングファーム「株式会社アズライト」を創業。キャリアに悩む方々のために就活・転職相談BAR「とこなつ家」を池袋にて共同経営中。