採用手法
採用方法
AI
2026.2.4
この記事の監修者:
株式会社アズライト 佐川稔

「面接や日程調整に追われて、本来の採用戦略に時間を使えない」「効果的な求人票が作成できない」
そんな悩みを抱える人事担当者は少なくありません。
人手不足が深刻化しているため、企業は採用業務のスピードと質が求められています。企業の課題を解決する手段として注目されている手法が、「AI採用」です。
AIがデータをもとに候補者の分析や選考をサポートすることで、人事担当者は業務を効率化できます。
本記事では、AI採用の概要や活用シーン、導入のメリット・デメリット、運用のポイントを解説します。

AI採用とは人工知能の技術を活用し、採用活動を効率化・高度化する仕組みのことです。求人票作成や応募者スクリーニング、面接の解析といった多岐にわたる採用業務をAIが補助します。
AI技術は、以下のような場面で活かされています。
自然言語処理(NLP):応募書類を解析し、スキルや志向性を整理する
機械学習:過去の採用データから活躍人材の傾向を発見する
画像認識・音声解析:面接官や応募者の表情・視線(非言語表現)を解析する
生成AI:スカウト文面や求人票を自動生成する
予測分析・データマイニング:応募の傾向や採用後の定着データを解析する
従来は人事担当者の経験や感覚に頼る部分が多くありましたが、AIによるデータ分析を取り入れることで客観的で再現性のある判断ができます。

AI採用は、深刻化する人手不足と煩雑化する人事業務のなかで、効率と精度の両立を目指す企業にとって注目の手段となっています。
特に30代〜50代の技術職や営業職の人材確保が困難を極める現在、多くの企業が人的リソースの制約を抱えたまま採用活動を展開しています。短期間で大量の応募者を精査する必要があるなか、人事担当者には迅速かつ的確な判断力が求められているのです。
(引用:内閣府「令和6年度 年次経済財政報告 雇用人員判断DIの推移」)
こうした状況下では、対応すべき課題が多岐にわたります。
たとえば、
限られた人事体制の中で多様な採用手法を駆使しなければならない
求職者の行動変化に即応するために選考プロセスの柔軟性が求められる
評価の属人化や判断のばらつきにより、選考基準が不明確になりやすい
こうした複雑な課題を解消する手段として、AI技術を活用した採用手法が導入され始めています。客観的な評価基準の整備やスクリーニング精度の向上を実現できる点が、大きな支持を集める理由となっています。

「実際にどの業務にAIを取り入れていいかイメージできない」と感じている人事担当者も多いのではないでしょうか。AIはさまざまな業務に活用でき、人事担当者の工数を削減できます。
ここでは、AIがどのように採用業務に活用されているかをくわしく紹介します。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
時間がかかる | 入力した職種や条件をもとに自動生成 |
トーンや言い回しに迷う | ターゲットに合わせて文体を調整 |
誤字脱字がある | 自動校正により最適化される |
求人票の作成においてAIを活用することで、人事担当者は必要項目の入力だけで原稿を自動で生成できます。従来の求人票作成は人事担当者のライティングスキルや経験に依存していました。
AIの活用により文章を整える作業を自動化し、人事担当者は戦略設計に集中できます。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
人事担当者が1件ずつ検索 | 応募履歴・スキル・経歴を自動分析 |
条件検索に時間がかかる | 類似スキル・関連職種を自動判定 |
人事担当者の感覚に頼る | 過去のデータから人材を学習して推薦 |
AIを活用した採用ソーシングでは、データに基づいた母集団形成が可能です。従来は人事担当者が条件に合う候補者を手作業で探す方法が一般的でした。
AIを導入することで、人事担当者はより戦略的な判断業務に専念できます。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
人事担当者が履歴書を1件ずつ確認 | 応募者情報を解析し、一致度を数値化 |
候補者の絞り込みに時間を要する | 高スコア順に候補者を自動で並び替え |
優秀な人材を逃してしまう | 適切なタイミングでアプローチ可能 |
候補者とのマッチングにAIを活用することで、スキルや経歴、志向性のマッチ度を可視化できます。人事担当者による応募者情報の確認は、ミスマッチが起こりかねません。
AI活用はカルチャーフィットの判断が可能で、離職率の低下につながります。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
情報が埋もれる | アプローチ可能な人材を自動でレコメンド |
選考データの集計に時間がかかる | 自動でレポート化 |
データベースの活用が属人的 | 活躍人材の傾向を学習 |
AIを導入することで、データベースは応募者情報の蓄積だけでなく活用しやすくなります。従来は情報が適切に管理できず、属人的な運用になりがちでした。
AIの活用により、選考データの分析や人材のアプローチがスムーズに行えます。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
メールや電話での個別対応が必要 | AIが自動で応答 |
人事担当者の不在時に回答が遅れる | 24時間365日自動で対応が可能 |
人事担当者によって回答の質が異なる | 回答精度を継続的に向上 |
AIを活用したチャットボットは、人事担当者の対応による負担を大幅に削減できます。応募者対応は採用人事担当者の工数を圧迫する業務のひとつです。
チャットボットでの即時対応は、応募者のエンゲージメント向上につながります。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
投稿の効果を手作業で集計 | いいね・コメント・シェアを自動で分析 |
投稿内容の傾向を感覚で判断 | 感情・印象をスコア化 |
投稿が継続できない | 最適な投稿タイミングを提案 |
ソーシャルメディア分析においてAIを活用することで、効果的な発信を定量的に把握できます。投稿内容の反応やターゲット層への届き方を分析する作業は、膨大な業務を抱える人事担当者にとって簡単ではありません。
AIを活用したSNSの分析は、広報やブランディング活動を戦略的に最適化します。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
面接官・会議室の空きを手動で確認 | カレンダーと連携し、空き時間を自動抽出 |
複数の候補者・面接官との調整が複雑 | 複数人の予定を同時に調整 |
面接設定ミスが発生 | ダブルブッキングの防止 |
スケジュール管理においてAIを活用することで日程調整を自動化し、候補者とスムーズに日時を確定できます。人事担当者は日程調整に多くの工数が発生していました。
AIによるスケジュール管理により、人事担当者は採用の質を高める業務に専念できます。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
処理が追い付かない | 短時間でスクリーニングが可能 |
人事担当者によって評価基準がばらつく | 設定した観点に基づいた評価 |
経験・スキルの見落としが発生 | テキスト解析で成果を自動抽出 |
AIを活用したスクリーニングは選考スピードを保ちながら、応募者を客観的に判断できます。書類選考は、人事担当者の負担になることも少なくありません。
選考の判断は人事担当者に頼りがちですが、AIスクリーニングにより公平性を高められます。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
テスト結果を人事担当者が集計・分析 | 自動でスコア化、傾向をグラフ・レポート化 |
結果の解釈が人事担当者に依存している | 要約・コメントを自動生成 |
人物像の把握がしにくい | 特性を多面的に評価 |
適性検査にAIを活用することで多角的な解析により、幅広い視点での評価ができます。従来はテストの得点や傾向から評価していたため、判断がばらつきやすい課題がありました。
AI適性検査はデータに基づく判断ができ、採用後のミスマッチ防止につながります。
従来の場合 | AIを活用した場合 |
|---|---|
面接官ごとに評価基準が異なる | スコアリングで一貫性を担保 |
候補者の発言をメモで記録 | 自動で文字起こし、要点を抽出・整理 |
面接後のフィードバックがあいまい | 評価ポイントを自動レポート化 |
AI面接は発話内容・表情・声のトーン・反応速度を解析し、候補者の特徴や一貫性を可視化できます。面接は人事担当者の経験や主観に影響されやすく、多くの企業が課題に挙げています。
AIを活用した面接は面接官の評価傾向を学習し、ばらつきのある評価の補正・標準化も可能です。

やるべき業務が多く、目の前の対応に追われている人事担当者は少なくありません。AIをうまく活用することで、採用業務の質を高められます。
ここではAI採用を導入・実施するメリットについて解説します。
AIの活用は、採用業務にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
採用プロセスは求人票の作成・応募者管理・スクリーニング・面接調整といった、多くのルーティン業務が発生します。人事担当者は1つの業務に数十分から数時間かかることもめずらしくありません。
AIを導入することで定型作業を自動で処理できるため、人的リソースを最適化できます。データ入力やメール送信ではヒューマンエラーを防止し、再作業にかかるコストも減少します。
人事担当者はAIの活用によって応募者の特性やスキルを客観的に分析でき、評価のばらつきを減らせます。
従来の採用活動では、面接官の主観や経験に依存した判断が行われることが多く、評価の一貫性が課題とされてきました。AIは応募書類や面接内容の結果を数値化し、複数の指標から候補者を比較・分析できます。
また、過去に採用された人材のスキル傾向や活躍データをもとに、現場社員と応募者の特性を比較することで入社後の活躍を予測できる点がメリットです。
AI採用の実施により、候補者全員を同じ基準で評価できます。従来の選考では、年齢・性別・学歴・印象といった要素に無意識に影響を受けることも少なくありません。
AIは無意識のバイアスを排除し、客観的なデータであるスキルや実績を中心に評価を行うため判断の透明性が高まります。
応募者の評価だけでなく、AIは面接官の評価傾向を分析する際に役立ちます。企業は、評価基準の見直しや教育の改善が可能です。

「採用業務をAIに頼って本当に大丈夫か」と心配になる人事担当者も多いのではないでしょうか。導入企業の増加が進む一方で、AI採用から思ったような効果を得られないといった課題も見られます。
ここでは、AI採用を導入・実施するデメリットについて解説します。
AIは与えられた情報をもとに学習するため、入力データに偏りがあると採用結果にも同じように反映されてしまいます。
AIに蓄積された属性に偏りがあると、企業が求める人材とズレが生じます。結果として、AIは意図しない層の優遇や別の層を排除しかねません。人事担当者はAIの学習データを把握しておき、定期的に見直しを行うことが不可欠です。
採用判断はAIに任せきりにせず、必ず人事担当者が最終決定を行いましょう。
AIによる選考は利便性が高い一方で、応募者が評価の不透明性を感じ、心理的な不安を抱きやすくなります。応募者の戸惑いや不安はSNSのネガティブな発信につながり、企業のイメージを下げる可能性があります。
企業は応募者に対してAI選考の目的や評価項目を分かりやすく説明し、不安を和らげる工夫が欠かせません。
人事担当者は採用の効率化と同時に、応募者との関係構築も意識したうえでAI採用を導入しましょう。
AI採用システムを導入する際は、ツールの契約費用や社内システムとの連携設定といった初期投資がかかります。導入後はAIモデルのアップデート、セキュリティ管理の継続的な運用コストを把握する必要があります。
採用規模の小さい企業ではAI導入による業務効率化よりも導入費用や運用コストが上回る場合もあり、費用対効果を慎重に判断することが重要です。
AIは単なる効率化ではなく、採用の質を上げるための仕組みづくりと捉えましょう。

AI採用を上手く活用できるか不安に感じている人事担当者は少なくありません。AI採用の注意点を事前に理解しておくことで、効果的に選考を進められます。
ここでは、AI採用を導入・実施する際のポイントについて解説します。
まず人事担当者は、採用業務における課題とAIを導入する目的を明確にしましょう。具体的に目的設定できれば、AIを使うタイミングが整理されるためスムーズに運用できます。
一方で、目的があいまいなまま導入すると機能を使いこなせず、期待した成果を得られない可能性があります。人事部門は現在の応募数や通過率のKPIを分析し、改善したい項目を数値化することが重要なステップです。
目的・課題の明確化は、採用戦略の見直しにつながります。
AIを採用業務に取り入れる際はすべての工程を自動化しようとせず、AIの強みが発揮される業務に絞りましょう。
人間的な洞察が求められるカルチャーフィットの判断や最終面接は、AIの判断に頼ると誤差が生じやすくなります。一方で、スケジュール調整や文面作成といった明確なルールや大量のデータ処理は、AIが得意とする分野です。
人事担当者はAIの適用範囲を明確に区切ることで、候補者体験や採用の質を落とさず、効果的に運用できます。
AIの導入は人事部門だけでなく、経営層や現場の面接官を含めた社内の合意をもらうことが不可欠です。
AI採用は従来のフローや判断基準を部分的に置き換えるため、社内の理解がないまま導入すると、不信感を招くおそれがあります。
人事担当者は運用フローを全社に共有し、ルールを明確にしましょう。社内全体での透明性を持った運用体制の構築は、応募者からの信頼性にもつながります。
AI採用を活用して効果的な運用へつなげるために、過去の採用データや既存システムを整理しましょう。
AIは過去のデータからパターンを学習し、予測や分類を行います。不完全な入力データでは、出力結果も安定しません。
人事担当者は候補者情報をひとつにまとめ、入力データ項目を統一することでAIの精度が向上します。また、情報システム部門や法務部門と連携し、個人情報やデータの取り扱いに関するガイドラインの整備も欠かさず行いましょう。
企業はAI採用を成果に結びつけるうえで、自社の課題に適したツールを選ぶことが大切です。AI採用ツールによって、得意分野や分析方法が異なります。
人事担当者は機能の多さよりも、社内の運用体制・人員スキルに合うツールを重視しましょう。導入時は既存の採用管理システムとの連携を確認しておくと、効率的な業務につながります。
人事担当者は無料トライアルを利用して、実際のデータで精度や操作性を検証すると失敗の少ない導入が可能です。
AIを活用した採用活動が加速する中で、その利便性と同時に「本当に信頼できるのか」「法的に問題はないのか」「人事の役割はどう変わるのか」といった疑問を抱える担当者も多いのではないでしょうか。ここでは、AI採用に関するよくある質問として、以下の3点について解説します。
精度や妥当性はどう検証する?
個人情報・同意取得・保存期間など法務面は大丈夫?
人事・現場の役割はどう変わる?
AI採用ツールの精度や妥当性は、学習データの質と量に大きく依存します。正確な判定を行うため、偏りのないデータ設計や定期的な運用状況の検証に加え、アルゴリズムの更新を継続的に行い、常に最適な状態で運用することが大切です。
また、AIの出力結果はあくまで判断を補助するものであり、最終的な選考は人が担う体制を維持することが前提です。
近年では、選考の公平性を確保する目的で、AIに内在するバイアスの有無を確認する「バイアス監査」の導入も注目されています。
AI採用では、履歴書や面接内容などの個人情報を扱うため、法的リスクへの配慮が欠かせません。
欧州のGDPRをはじめ、各国でAI活用の規制が進んでおり、情報の取得・利用では、目的の明示に加え、同意や正当な利益などの合法性根拠を適切に設定する必要があります。保存期間も「必要最小限」に管理することが大切です。
特に自動処理で候補者を評価する場合は、内容の説明や人による再評価の機会を設ける配慮が必要です。導入前に、提供企業のコンプライアンス対応を確認し、自社でもプライバシーポリシーや運用ルールを整備しておきましょう。
AIの導入により、これまで人事が担っていたルーティン業務の多くが効率化され、業務の中心は戦略的な領域へとシフトします。
たとえば、候補者体験(CX)の設計や、AIによる選考結果の妥当性確認、さらにダイバーシティの観点から全体を監督する役割が重視されつつあります。
人事担当者は、AIの仕組みや出力結果を理解したうえで、必要に応じて人の判断を介在させる「Human-in-the-loop」の視点が求められます。効率化の恩恵を受けつつも、最終的な意思決定と責任は人が担うという前提を持つことが重要です。
AI採用は、業務効率や人材評価の向上を図る手段として注目されています。
とくに人手不足や人事担当者の業務過多といった課題を抱える企業にとって、有効なサービスとなり得ます。AIは人間の判断を置き換えるものではなく、データ分析をもとに意思決定を支援するツールとしての活用が現実的です。
そのため、導入に際しては以下の点を意識する必要があります。
導入の目的を明確にし、対応させる業務範囲を絞る
業務の中でAIが担える工程と、最終判断を人間が行う工程を切り分ける
ツールに過度な期待をせず、運用設計を丁寧に行う
このような活用によって、人事担当者は戦略立案や採用方針の判断といった中核業務に集中しやすくなります。日常業務の効率化が進むことで、より質の高い人材獲得にもつながるでしょう。
AI採用を検討しているのなら、採用のプロフェッショナルであるアズライトに相談してみましょう。
課題解決にAI採用の活用が本当に適しているのかを判断してくれますよ。
この記事の監修者
株式会社アズライト 佐川稔
株式会社アズライト代表取締役。採用がうまくいかない優良企業を採用できる企業へ改革するために、戦略・運用に特化した採用コンサルティングファーム「株式会社アズライト」を創業。キャリアに悩む方々のために就活・転職相談BAR「とこなつ家」を池袋にて共同経営中。
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