採用代行
採用活動
2026.2.10
この記事の監修者:
株式会社アズライト 佐川稔

「応募が集まらない」「理想の人材に出会えない」「内定辞退が多発している」
採用活動に苦戦している企業は少なくありません。このような課題は、多くの場合、採用計画の不備が原因となっています。
採用は、現場任せや場当たり的な対応ではなく、事前の戦略立案と社内連携が成否を分ける重要なプロセスです。そこで今回は、採用計画の基本から立案時のステップ、雇用形態や人数の決定方法、募集後の実行ポイントまでを体系的に整理します。
新卒・中途などのケース別事例も紹介しながら、実践的なノウハウをお届けします。採用活動を成功に導く第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。

採用計画とは、企業が「いつ」「どのような人材を」「何人」採用するかを明確にし、経営方針と採用活動を結びつけるための計画です。ミスマッチや機会損失を防ぐためにも、目的や人物像、進め方を整理し、社内外の状況を踏まえて設計する必要があります。
主な構成要素としては、以下のとおりです。
職種別・時期別の採用人数
求める人物像の明確化
募集から入社までのスケジュール
採用チャネルの選定
評価基準の設定
あらかじめ計画を立てておくことで、必要な人材を的確に確保しやすくなり、採用活動全体の精度も高まります。

採用計画を立てるうえで重要なのは、現場のニーズや市場環境を把握し、戦略的に土台を築くことです。
ここでは、採用計画立案の際に行うべきことについて解説します。
採用計画を立てる際は、採用市場の動向を把握し、職種ごとの需給や競合の動きに応じた戦略設計が重要です。有効求人倍率や求職者の傾向を分析すれば、採用目標や手法の現実性を高められます。以下は2026年時点の求人倍率の目安です。
管理的職業:0.76倍
専門的・技術的職業:1.99倍
情報処理・通信技術者:0.94倍
事務的職業:0.40倍
市場動向の分析は、施策の優先順位や採用方針の明確化に役立ちます。競合との差別化にもつながるため、初期段階での実施が効果的です。
採用計画の精度を高めるうえで、社内の要員調査も重要なステップです。各部署の人員状況や業務量を把握し、必要な人材を「質」と「量」の両面から洗い出します。トップダウン方式とボトムアップ方式を併用すれば、実態に即した判断が可能です。
主なヒアリング項目は次のとおりです。
業務量:繁閑差や未対応業務の有無
人員体制:退職予定、補充時期、必要人数
スキル要件:必要な経験や能力
経営環境:売上目標や新規事業の動向
こうした情報を整理したうえで採用計画を立てることで、無駄のない人材確保が実現できます。
年間採用活動計画は、採用目標を実現するための具体的な行動指針です。求める人物像や必要人数をもとに、無理のない年間スケジュールを立てることが大切です。新卒と中途では時期や動向が異なるため、以下のように対応も分けて考える必要があります。
3〜4月:要員調査、方針の策定
5〜7月:募集開始、説明会、初期選考
8〜10月:面接、内定、フォロー
11〜2月:入社準備、インターン、振り返り
採用活動は計画通りに進むとは限らないため、進捗を定期的に確認し、柔軟に見直せる体制を整えておくことが効果的です。
採用基準は、採用計画の実行力を高めるために不可欠です。職種ごとに求めるスキルや志向性を明確にし、書類選考や面接など各選考段階で評価すべき項目を設定します。基準は数値やレベルで具体化し、判断のばらつきを防ぐことが重要です。
また、MUST条件とWANT条件を整理することで、柔軟に対応しやすくなります。基準は現場と共有し、認識をそろえることも欠かせません。選考の軸が明確になれば、ミスマッチの防止や歩留まりの改善にもつながります。

採用計画を立てるうえでは、いきなり具体的な活動に移るのではなく、事前に検討すべき事項を整理し、計画全体の流れを明確にすることが重要です。
ここでは、採用計画を実際に作成するまでの基本的な流れについて解説します。
採用計画の初期段階では、採用人材の要件を明確にすることが重要です。要件が不明確だと選考の精度が下がり、ミスマッチが起きやすくなります。業務内容や期待する役割を踏まえ、以下のように分類して整理しましょう。
必須要件:営業経験3年以上、普通運転免許、基本的なPCスキルなど
歓迎要件:マネジメント経験、IT業界の就業歴、英語での商談経験など
あらかじめ要件を定めておくことで、選考判断がしやすくなり、採用の歩留まり改善にもつながります。
以下の記事では、採用人材の要件を評価に落とし込むための「採用基準」の考え方や決め方について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
採用基準についての詳細はこちら≫
採用計画を立てるうえで、採用人数の設定は初期段階で押さえるべき重要な項目です。まずは既存業務を見直し、非効率な作業の削減や手順の見直しを行ったうえで、必要な業務量を算出します。
次に、総労働時間を1人あたりの労働時間で割ることで、必要社員数を導き出すことが可能です。
必要社員数=総労働時間 ÷ 1人あたりの労働時間
例:週400時間 ÷ 40時間 = 10人
この人数から既存の社員数を引いた分が、採用すべき人数となります。さらに、人件費とのバランスを見て利益が確保できるかも事前に検証し、無駄のない計画的な採用につなげましょう。
採用計画を立てる際は、雇用形態の選定も重要です。正社員・契約社員・パート・派遣社員といった形態の中から、業務内容や必要なスキル、労働時間、雇用期間を踏まえて適した形式を見極める必要があります。
たとえば、長期的な人材確保を目指す場合は正社員、即戦力の補充を目的とする場合は派遣社員がおすすめです。
雇用形態を曖昧にしたまま進めると、早期離職や業務のミスマッチが起きやすくなるため注意が必要です。採用対象や業務の優先度に応じて、柔軟かつ現実的な採用の立て方を検討しましょう。明確な雇用方針は、採用活動の精度と効率を高めるポイントとなります。
採用活動を成功させるうえで、計画段階における自社に適した募集手法の見極めは重要です。職種やターゲット層、予算に応じて使い分けることが求められます。主な手法とその特性は以下のとおりです。
求人広告:広く認知を得たい場合に有効
人材紹介:即戦力の確保に適している
リファラル:社風に合う人材が集まりやすい
ダイレクトリクルーティング:特定層に直接働きかけやすい
SNS・自社サイト:若手層の獲得に効果的
目的に応じて手法を組み合わせることで、採用計画の実現性が高まります。各手法の特徴を把握し、最適な手段を選びましょう。
採用計画後は、選考フローごとの対応をあらかじめ定めておくことが重要です。対応のばらつきや遅れを防ぐため、「応募翌日までに連絡」「書類選考は3日以内」「面接の回数と担当者の明確化」「内定後フォローの実施」などをルール化します。
下表のように整理すると全体共有がしやすくなります。
フェーズ | 対応内容 | 担当 | 期限 |
|---|---|---|---|
応募 | 受領連絡 | 人事 | 当日~翌営業日 |
書類選考 | 結果通知 | 部署 | 3営業日以内 |
面接 | 日程調整・実施 | 人事他 | 7日以内 |
内定 | 条件提示・フォロー | 人事 | 2日以内 |
事前設計が採用の精度を高めます。
スケジュールを具体的に設定することが、採用計画を円滑に進めるうえで重要です。「いつまでに」「どの部署に」「何名必要か」を明確にし、工程を逆算して現実的な計画を立てましょう。
中途採用では迅速な選考が求められる一方、新卒採用は接点形成に時間をかける必要があります。あらかじめ工程を整理することで、社内の認識もそろいやすくなります。
求人掲載:4月上旬
書類選考:4月中旬〜下旬
面接実施:5月上旬〜中旬
内定通知:5月下旬
入社時期:6月初旬〜7月初旬
このような立て方を意識すれば、歩留まりの改善やミスマッチ防止にもつながります。

採用計画は企業の成長戦略に直結する重要な取り組みですが、採用の対象やタイミングによって計画の立て方は大きく異なります。
ここでは、【ケース別】に見る採用計画の具体例について紹介します。
新卒採用は将来の組織成長を見据えた中長期的な人材確保であり、戦略的な採用計画が求められます。
まず、事業計画に基づき採用人数や人物像を明確にし、各選考段階の歩留まりを想定して設計します。スケジュールは就活ルールを参考にしながら、早期接点を意識したインターンシップなどの活用も効果的です。
採用計画書を作成する際は、媒体選定や内定者フォローも含めて全体像を設計する必要があります。状況に応じた柔軟な運用により、辞退やミスマッチの防止につながります。
中途採用では、即戦力人材を的確なタイミングで確保することが重要です。新卒よりスケジュールに柔軟性がある反面、欠員補充など急な対応も想定されます。採用計画書では、次の内容を簡潔に整理します。
募集職種:営業職(法人営業)
採用人数:2名(増員)
必須要件:法人営業経験3年以上
採用手法:転職サイト+エージェント併用
スケジュール:5月募集、6月面接、7月入社予定
入社までの期間を見越して準備し、各工程に担当やKPIを設定すれば、効率的な採用につながります。限られた期間で成果を出すうえで、計画の実現性が重要なポイントです。

採用計画を立てたあとに何もしなければ、理想の人材確保は実現できません。ここでは採用計画立案後に行うべき具体的なアクションについて解説します。
人事部門に加えて、現場や経営層も連携した協力体制があってこそ、採用計画は円滑に進められます。まずは目的と目標を関係部署と共有し、理解を得ることが重要です。
面接官や配属先責任者に対しては、評価基準の統一と事前研修を実施し、選考の一貫性を高めましょう。役割分担を明確にすることで、進捗管理や連携をスムーズに進めやすくなります。
人事部門:採用計画の立案と進行管理
現場責任者:ペルソナ設計と面接対応
経営層:方針承認と文化の浸透支援
社内連携を強化することで、採用活動のスピードと精度が向上します。
採用計画を立てたあとは、自社サイトやSNSに掲載している情報が最新かつ魅力的な内容であるかを見直し、必要に応じて更新することも大切です。多くの求職者は応募前に企業のWeb情報を確認するため、内容が古いままだと関心を損なう可能性があります。
募集職種や人数、求める人物像に加え、社員の声や働く環境なども丁寧に伝える工夫が重要です。SNSでは社内イベントや日常の様子を発信し、リアルな雰囲気を伝えることで応募後のギャップを減らせます。こうした取り組みが母集団形成の基盤となります。
採用計画の次は募集活動に移ります。まずは求人媒体やSNS、自社サイトなどに向けた原稿を整備し、掲載準備を進めましょう。開始後は結果を待つだけでなく、応募状況を見ながら柔軟に施策を見直すことが重要です。
応募者数:少ない場合は媒体や原稿を再検討
応募者の質:通過率が低ければ訴求と要件を調整
媒体ごとの効果:応募単価や通過率で比較し最適化
単なる掲載にとどまらず、常に改善を図る姿勢が採用成果を左右します。
採用計画に基づく面接では、人物像と評価基準に沿って適性を見極めることが重要です。Must・Wantの整理により判断の軸が統一され、カジュアル面談は志望度や相性の確認におすすめです。
選考プロセス | 目的 | 評価観点 |
|---|---|---|
書類選考 | スキル確認 | 経歴、資格、実績など |
一次面接(現場) | 実務・適合確認 | 課題解決力、価値観など |
最終面接(経営層) | 意欲・成長確認 | キャリア観、熱意など |
選考中・内定後のフォローも、計画に組み込むと辞退防止に効果的です。
内定者フォローは、採用計画の実行段階で欠かせない取り組みです。内定から入社までに継続的な接点を持つことで、辞退や早期離職のリスクを軽減できます。たとえば、定期的な連絡や懇親会、社員との交流、研修の実施などが効果的です。
特に売り手市場が続く中では、内定者の不安を和らげ、企業への信頼や入社意欲を高める姿勢が重要となります。採用活動は「内定」で終わりではなく、「定着」まで見据えたフォロー体制の整備が必要です。
採用活動において最も重要なのは、目先の人手不足を埋めることではなく、組織の将来像を見据えた人材をどう迎え入れるかという視点です。
行き当たりばったりの対応では、せっかくの出会いもミスマッチに終わる可能性があります。だからこそ、現場との連携や情報整理、綿密な段取りを含めた採用計画の設計が重要になります。
採用は単なる手続きではなく、企業文化や成長戦略を体現する大切なプロセスです。これを機に、自社の採用のあり方を改めて見直し、長期的な視点で計画を立てましょう。
とはいえ、計画を練るのは難しいのが本音だと思います。そんな時は採用のプロであるアズライトに依頼すると良いでしょう。

この記事の監修者
株式会社アズライト 佐川稔
株式会社アズライト代表取締役。採用がうまくいかない優良企業を採用できる企業へ改革するために、戦略・運用に特化した採用コンサルティングファーム「株式会社アズライト」を創業。キャリアに悩む方々のために就活・転職相談BAR「とこなつ家」を池袋にて共同経営中。
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