「求人サイトだけでは応募がなかなか集まらない」「もっと幅広い層にアプローチしたい」特に経験豊富な人材や転職潜在層にリーチするのは簡単ではなく、従来の求人媒体だけでは限界を感じている採用担当者も多いでしょう。そこで近年注目されているのが Facebookを活用した採用活動 です。Facebookは実名制のため信頼性が高く、30代から40代を中心とした利用者層に向けて企業の情報を発信できます。また、転職潜在層や世界中のユーザーに幅広くアプローチ可能で、コツを押さえた運用により効率よく採用へとつなげられます。本記事では、Facebook採用のメリット・デメリット、導入・実践へのステップ、採用に直結する運用のコツを解説します。Facebookを活用した採用活動とはFacebookを活用した採用活動とは企業が公式ページや広告、投稿を通じて自社の魅力や求人情報を発信し、候補者との接点を広げる取り組みです。Facebookは世界中で30億人以上が利用し、日本では特に30代から40代のユーザーに人気があるSNSです。実名登録を基本とするため、学歴や職歴といったバックグラウンドが把握しやすい特徴があります。地域や職種を指定できるMeta広告を利用し、求めるターゲットへピンポイントに情報を届けられるため、効率的に母集団形成ができます。Facebookでの採用活動を行うメリット効率的な採用活動ができず、課題を抱えている人事担当者も少なくありません。Facebookの活用は応募数の増加や歩留まり改善ができ、採用活動の質を高められます。ここからはFacebookでの採用活動を行うメリットを4つ紹介します。実名登録のため信頼性が高いFacebookは実名登録が必要なSNSであり、採用活動において候補者情報の信頼性が高い点がメリットです。InstagramやXといった匿名性が高い媒体では、プロフィールが正しい情報とは限りません。一方でFacebookは氏名はもちろん、学歴や職歴を公開できるため応募前から候補者のバックグラウンドを把握しやすくなります。企業はコメントやいいねのリアクションから、候補者の関心度や発信内容を確認できます。「Facebookページ」でアーカイブ化できるFacebookページは企業が公式に情報を発信できる場であり、候補者は企業の最新情報を把握しやすい点が特徴です。求人広告や公式サイトは情報発信に限界があります。一方でFacebookページは過去の活動をアーカイブとして残し、候補者は企業文化や姿勢をより近い距離で感じられます。求人媒体に加え、もっとリアルな情報をキャッチしたい層に向けてFacebookの採用ページ作成が最適です。世界中のユーザーへ求人公開できるFacebookは世界中で利用されているSNSであり、求人情報を投稿すると国内外を問わず幅広いユーザーに届けられます。特定のサイトでは基本的に登録者のみが情報を得られるため、拡散力はありません。Facebookは企業ページや広告を通じて、自社をフォローしていないユーザーへも届けられる点がメリットです。特に広告は国や地域、年齢、興味関心を細かく設定でき、求める人物像に合わせた配信ができます。潜在層にもアプローチが可能Facebookは転職を考えていない層にも情報を届けられ、人やコミュニティのつながりから将来的な採用につなげられる可能性があります。キャリア形成に関心の高い人材は積極的にコミュニティに参加し、情報交換を行っています。特にエンジニアやマーケターの専門職は最新情報を得ることが不可欠です。企業はキャリア形成や最新の業界動向を発信することで、情報の拡散や自社の認知につながります。Facebookでの採用活動を行うデメリットFacebookでの採用活動を始める前に、失敗のリスクを減らしておきたいと考えている人事担当者も多いのではないでしょうか。Facebookでの採用活動は幅広い層にリーチできるメリットがある一方で、運用するにあたって注意点もあります。ここからは、Facebookでの採用活動を行う際のデメリットについて解説します。新卒・20代などの若手人材が少ないFacebookは30代以上の利用者が多く、新卒や20代前半の若手に直接アプローチしにくい点がデメリットです。10代〜20代はInstagramやXを中心に情報収集しており、Facebookを日常的に使うユーザーは限られています。若年層に効果的な採用方法は、以下のとおりです。InstagramやTikTokのショート動画を活用するスカウトメールを送るオンラインイベントを開催するFacebookは中途採用を行う際の広告運用に適していますが、新卒採用では他のSNSや手法との併用がおすすめです。応募管理が煩雑・難しいFacebook経由での応募はメッセージや外部のメールといった複数の窓口に分散するため、一元管理が難しいのが現状です。人事担当者は管理体制を整えないと対応や返信の遅れにつながり、候補者の意欲を損ねる可能性があります。Facebookを活用する際は次のように管理を行いましょう。採用管理システム(ATS)との連携応募専用フォームを設置する対応する担当者を決める人事担当者はFacebookでの採用活動を行う前に準備をすることで、工数の削減も可能です。継続運用が求められるFacebook採用は一度投稿すれば完結するものではなく、継続した運用が欠かせません。求職者は応募前にFacebookページをチェックし、更新頻度や情報の鮮度から企業の姿勢を判断します。更新が途絶えてしまっていると、求職者は企業の熱意を感じられず応募の意欲が下がってしまいます。人事担当者は次のような投稿をし、運用サイクルを確立しましょう。求人情報説明会の告知やレポート社員の活躍やメディア掲載の実績報告人事担当者は広報部門と協力しながら計画的な運用により、採用広報とブランディングを同時に行えます。大量採用には向いていないFacebookは幅広いユーザーに求人情報を届けられますが、大量採用には向いていません。Facebookは採用に特化したサービスではなく、さまざまな目的を持ったユーザーがいるため、大人数の確保が難しいためです。特にアルバイトや新卒採用のように数十人の採用を目指す場合は、求人サイトを活用した手法が適しています。一方で、ターゲットを絞った中途採用や専門職の人材においては効果を発揮します。人事担当者は媒体ごとの役割を明確にし、強みを最大限に活かすことが重要です。Facebook採用を導入・実践する4ステップFacebook運用の始め方が分からない人事担当者は、導入を後回しにしてしまっていませんか。順を追って行うことで、Facebookは簡単に始められます。ここからは、Facebook採用を導入・実践する際の4つのステップを紹介します。ビジネスアカウントを作成Facebookで採用活動を始める際は、まず公式に情報発信できるビジネスアカウントの用意が必須です。ビジネスアカウントでは広告配信やアクセス状況の確認が行えます。ビジネスアカウントの登録方法は以下のとおりです。「Metaのビジネスツール」にアクセス個人アカウントでログインアカウント作成から自社の情報を登録Facebookページを作成ビジネスアカウントは、必ず個人のアカウントから作成しなければなりません。個人の情報が企業のページに公開されることはなく、管理者として登録されます。2022年まででFacebookの求人機能は終了してしまいましたが、ビジネスアカウントで採用に関する情報の発信が可能です。通常投稿を行うFacebook採用では求人広告だけでなく、定期的な通常投稿が信頼性を高めるポイントです。通常投稿は、企業文化を伝える採用広報の場として活用できます。次の手順で投稿を行いましょう。投稿スケジュールを決める発信ターゲットを定める写真や動画の素材を用意する投稿後の反応を分析する人事部門は運営体制を整え、週1回や月2回のように投稿スケジュールを決めておくと運用しやすくなります。また、データの分析する際は、反応があった投稿やユーザーの属性をチェックし、次回の投稿に活かしていきましょう。求人票を作成するFacebookでは、投稿や広告を利用して採用情報を発信できます。求人票をベースにした情報発信は、仕事内容や条件を明確に伝えられるため効果的です。ここでは求人広告の出し方を紹介します。広告アカウントを登録広告の目的を「雇用」に設定ターゲットの絞り込み画像や動画を組み合わせて広告を作成自社サイトへの応募フォームへの動線を設置求人票は画像や動画を組み合わせて、視覚的にわかりやすく表現しましょう。企業の価値観や働き方を伝えることで、自社にマッチする人材からの応募につながります。求人を宣伝するFacebookでは、通常投稿を広告として宣伝する方法もあります。通常投稿をより多くの人に届けたい場合に手軽に行える手段です。投稿の宣伝方法は以下のとおりです。求人情報を通常投稿として作成投稿ページにある「投稿を宣伝」をクリック審査に通過後、配信が開始される通常投稿の宣伝は、広告を出すよりもシンプルな方法です。詳しい分析や効果的な手法を確認するABテストを行いたい場合は、広告マネージャーが適しています。採用に直結するFacebook運用を行うコツFacebookを活用しても、応募につながらないと悩む人事担当者は少なくありません。担当者は求人情報の発信に加えて、日々の運用の工夫が大切です。ここからは、採用に直結させるための運用のコツを5つ解説します。ペルソナを明確化するFacebookで採用活動を行う前に、人事担当者は求める人物像を明確にしましょう。Facebookは幅広いユーザーが利用しているため、ペルソナを決めておかなければ応募者の質が安定しません。Facebookの利用者層を意識して、「30代のマネジメント経験のある営業職」や「30代後半のITエンジニア」と年代や職種、地域を設定しましょう。人事担当者はペルソナが明確になっていることで、求人票や投稿をスムーズに作成できます。また、発信した情報が求職者に響きやすくなり、応募率の上昇が見込めます。迅速なレスポンスを心がけるFacebook採用では、求職者からの問い合わせやコメントへの素早いレスポンスが応募率を高めます。人事担当者が他の業務と兼任している場合、問い合わせメールが他の業務連絡に埋もれてしまうことがあります。候補先を比較検討している応募者は、他社に流れてしまいかねません。迅速な対応をするためのコツは次のようなものがあります。採用専門のメールアドレスを設定する回答テンプレートを用意する複数人で対応するレスポンスは24時間以内の対応をルール化することで、信頼できる企業としての印象を与えられます。求人情報の最新性を保つ最新の状態に保った求人情報は候補者に誠実な印象を与え、企業ブランドの信頼性が向上します。Facebookは投稿がタイムラインに蓄積され、更新の有無が一目で分かります。母集団形成の非効率化やエンゲージメントの低下につながるため、古い状態のページは望ましくありません。求人情報を最新に保つポイントは以下のとおりです。あらかじめ掲載期間を決めておく更新のタイミングで求人情報のチェックを行う投稿の管理シートを作成するFacebookの計画的な情報更新は採用活動の効率を高め、応募者の信頼を獲得するために徹底しましょう。詳細な求人情報を記入するGoogle検索からの流入にも対応するために、具体的に求人情報を記入しましょう。Facebookページや公開投稿はGoogle検索にヒットするため、より幅広い層に情報を届けられます。Facebookの求人情報に記載する内容は次のとおりです。基本情報:職種、業務内容、勤務地、勤務時間、給与、応募資格企業の特徴:社員の写真、イベント風景、ビジョン、メッセージリンク先:公式サイト、採用ページハッシュタグ:採用、求人、企業名詳細な条件や仕事内容を記載しておくことで、求職者の不安を解消し、入社後のミスマッチを防ぎます。他サービスと併用して運用するFacebook採用は他の求人媒体やSNSと併用することで、より効果的に母集団形成を進められます。Facebookは応募を管理する機能がないため、求人媒体や採用管理システムと組み合わせたほうが効率的に運用可能です。以下のような他のサービスとの活用方法がおすすめです。若手人材→InstagramやTikTokでショート動画を発信専門職→LinkedInや業界特化型の求人サイトの利用中途採用→Wantedlyやダイレクトソーシングの活用Facebook採用他のサービスを組みわせることで各層にバランスよくアプローチでき、質の高い母集団を形成できます。まとめFacebook採用は30代〜40代を中心とした利用者層に向けて、企業の魅力や求人情報を自然に発信できるチャネルです。実名制による信頼性や、世界中の幅広い層に届けられる点がFacebook独自の強みです。一方で、Facebookは若年層へのアプローチや管理・運用の難しさがデメリットです。効率よく運用するために、ペルソナの設定やレスポンス、投稿内容の鮮度に対する意識が欠かせません。Facebookだけでなく他のサービスと組み合わせた運用は、母集団形成の効率化と質の高い採用につながります。人事担当者は運用体制を整え、Facebookを効果的に活用しましょう。自社に運用ノウハウや工数が割けない場合、SNS採用代行に依頼してみるとよいでしょう。SNS採用のプロが投稿を作成してくれます。また、トレンドのSNS運用も相談してみるといいでしょう。アズライトに相談する≫