採用のプロセスの多くを外部に委託できる採用代行(RPO)は、今や多くの企業が注目する解決策です。しかし、「実際にどれくらいの費用がかかるのか」「サービスによって何が違うのか」といった疑問を抱え、導入に踏み切れない方も多いでしょう。この記事では、採用代行(RPO)の費用について、料金形態別の相場から費用内訳、サービス別の比較まで、詳細かつ具体的に解説します。採用代行(RPO)とは採用代行(RPO)とは、企業の人事・採用活動における業務の一部、または全てを外部の専門業者に委託するサービスです。RPOとは「Recruitment Process Outsourcing」の略で、自社の人事担当者の負担を軽減し、採用の効率化や品質向上を図ることが主な目的です。採用業務は多岐にわたり、求人媒体の選定、応募者対応、書類選考、面接日程の調整、合否連絡、入社手続きなど、多くの時間と労力を要します。採用代行(RPO)へ代金を支払って利用することで、企業はノンコア業務を外部に任せ、自社のコア業務である事業戦略や組織開発などに集中できます。採用代行(RPO)の料金体系別費用相場採用代行(RPO)の費用は、依頼する業務範囲や採用人数、そして料金体系によって大きく異なります。主な料金体系は「月額一律料金型」「従量課金型」「成果報酬型」の3つに分けられます。ここでは、それぞれの特徴と費用相場を見ていきましょう。月額一律料金型月額一律料金型は、契約期間中、毎月決まった金額を支払う形式です。業務量や採用人数に関わらず料金が一定であるため、採用計画を立てやすいところが特徴です。月額一律料金型の費用は、依頼する業務の範囲によって大きく変動します。例えば、書類選考や面接日程調整といったノンコア業務のみを依頼する場合は、比較的安価で済みます。しかし、採用戦略の立案から母集団形成、スカウト代行、候補者とのやり取りまで、採用活動の全体を採用代行(RPO)に任せる場合は高額になります。月額一律料金型の費用相場は、以下の通りです。サービス内容費用相場新卒採用10~70万円中途採用20~80万円新卒スカウト代行10~50万円中途スカウト代行10~60万円面接代行15~50万円従量課金型従量課金型は、実施した業務の量に応じて費用が発生する形式です。例えば、「面接代行1回につき〇円」「スカウトメール送信1通につき〇円」といった形で料金が設定されます。必要な業務だけをスポットで依頼できるため、無駄なコストを抑えたい企業や、特定の採用業務だけを外部に任せたい場合に適しています。従量課金型の費用相場は、以下の通りです。サービス内容費用相場面接官代行・評価シートの作成1回1万円~DM・スカウトメールの配信1通1,000円~応募者のスクリーニング1回2,500円~採用媒体の管理月額5万円~50万円応募者対応月額2万円~求人広告への掲載月額15万円~成果報酬型成果報酬型は、採用が成功したときにのみ費用が発生する料金体系です。そのため、採用代行(RPO)の中でも特にリスクが少ないといえるでしょう。費用相場は、採用した人材の年収の20%〜35%が一般的です。金額にすると、一人あたり60万円〜120万円程度となることが多いです。他の料金体系と比べて採用単価は高めですが、特定のポジションや専門職など、こだわりのある人材を確実に採用したい企業に向いています。採用代行(RPO)の属性別費用相場採用代行(RPO)の費用は、ターゲットとする人材の属性や採用規模によって大きく異なります。ここでは、それぞれのケースにおける費用相場を解説します。新卒採用の費用相場新卒採用RPOの費用相場は、月額5万円〜70万円程度と幅が広いです。主に「ノンコア業務の代行」か「採用活動全般のサポート」かによって料金が変動します。ノンコア業務(応募者対応、日程調整など)の代行に限定すれば費用を抑えられますが、採用戦略の立案から面接代行まで一貫して依頼する場合は高額になります。新卒の採用代行の詳細はこちら>>中途採用の費用相場中途採用RPOの費用相場は、月額10万円〜80万円程度が一般的です。新卒採用と比較して、職種や業界によって採用難易度が大きく異なるため、費用も変動しやすい傾向があります。また、求人広告の掲載費用やスカウトサービスの利用料が別途かかる場合もあります。アルバイト・パート採用の費用相場アルバイト・パート採用RPOの費用相場は、月額1万円〜30万円程度と、新卒・中途採用に比べて安価な傾向にあります。特にノンコア業務の代行が中心となることが多く、採用人数や依頼範囲に応じて料金が設定されます。アルバイト・パートの採用代行の詳細はこちら>>専門職採用の費用相場ITエンジニアやコンサルタント、医師など、専門性の高い職種の採用は、特に費用が高くなります。費用相場は、月額40万円〜100万円以上と高額になることが多く、採用が成功した際に高額な成果報酬が発生するケースもあります。エンジニアの採用代行の詳細はこちら>>大量採用の費用相場コールセンターや販売職、製造業のオペレーターなど、数十人〜数百人規模の大量採用を行う場合、費用相場は月額30万円以上となることが一般的です。一人あたりの単価は抑えられることが多いですが、全体的な費用は高くなります。採用代行(RPO)の業務範囲別費用相場採用代行(RPO)の費用は、依頼する業務の範囲によって大きく変動します。ここでは、主に「コア業務」と「ノンコア業務」に分けて、それぞれの費用相場を解説します。コア業務(要件定義・面接・クロージング・採用広報)コア業務は、企業の採用活動において、事業戦略と密接に関わる重要な部分です。具体的に、求める人物像の定義や、面接での候補者の見極め、内定者への最終的な意思確認(クロージング)、そして企業の魅力を発信する採用広報などが含まれます。これらの業務は専門性が高く、企業のブランドイメージにも直結するため、採用代行(RPO)を利用する場合、より高度なコンサルティング費用が発生します。コア業務を採用代行(RPO)に外注した場合の費用相場は、以下の通りです。月額15万円~100万円程度コア業務は採用の成否を大きく左右するため、費用も高くなる傾向にあります。専門性の高い採用代行(RPO)業者に依頼することで、採用の質の向上が期待できます。また、ノンコア業務も合わせて委託する場合、総額は月額100万円以上になることが多いです。ノンコア業務(応募受付・日程調整・合否連絡 等)ノンコア業務は、採用活動における定型的かつ煩雑な事務作業を指します。具体的に、応募書類の受付、面接日程の調整、合否連絡、求人媒体への掲載管理などが含まれます。これらの業務は多くの時間と労力を要しますが、企業の採用担当者が手作業で行うのは負担が大きいため、採用代行(RPO)の中でも最も多く依頼される業務範囲です。ノンコア業務を採用代行(RPO)に外注した場合の費用相場は、以下の通りです。月額5万円~70万円ノンコア業務は、効率化とコスト削減を目的として採用代行(RPO)を利用する企業が多いため、コア業務に比べて費用は安価に設定されています。これにより、企業の採用担当者は、より戦略的なコア業務に集中できます。採用代行(RPO)サービスと類似サービスの費用比較採用活動を外部に委託するサービスは、採用代行(RPO)以外にもいくつか存在します。ここでは、特に混同されやすい「人材紹介」「人材派遣」「委託募集」と採用代行(RPO)の費用体系やサービス内容の違いを比較します。人材紹介との比較採用代行(RPO)と人材紹介は、どちらも外部の力を借りて人材を確保するサービスですが、費用体系と目的が大きく異なります。人材紹介は、企業の採用要件に合った人材をエージェントが探し、紹介するサービスです。費用は成功報酬型が主流で、採用が決定した際に、その人材の理論年収の30%〜35%を支払います。例えば、年収500万円のエンジニアを採用した場合、150万円〜175万円の費用が発生します。一方、採用代行(RPO)は、採用活動のプロセス自体を代行するサービスです。採用代行(RPO)にも成功報酬型のプランがあり、その場合の費用相場は、採用した人材の年収の20%〜35%が一般的です。大きな違いとして、人材紹介が「採用結果」にコミットするのに対し、採用代行(RPO)は「採用プロセス」にコミットする点が挙げられます。また、人材紹介の費用が人件費として計上される一方、採用代行(RPO)の費用は業務委託費として計上されるため、会計処理上も違いがあります。人材派遣との比較人材派遣は、派遣会社と雇用関係にあるスタッフを、必要な期間だけ企業に受け入れるサービスです。費用は、派遣スタッフの給与や社会保険料、派遣会社の管理費などを含んだ時間単価に基づいて計算され、業務時間に応じて発生します。厚生労働省の「令和5年度 労働者派遣事業報告書」によると、一般事務職の派遣料金は1人1日あたり平均17,578円でした。採用代行(RPO)が採用プロセスそのものを代行するのに対し、人材派遣はあくまで短期的な労働力不足を補うためのサービスです。つまり、採用代行(RPO)は「採用」を成功させるための費用、人材派遣は「労働力」を確保するための費用であり、この点が両者の最も大きな違いです。》》参考:厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書」委託募集との比較委託募集は、求人広告の作成や掲載、応募者の受付といった募集業務を外部に委託するサービスです。採用代行(RPO)と比べて業務範囲が限定的で、主にノンコア業務の効率化を目的とします。費用は月額固定型が多く、相場は月10万円〜30万円程度です。採用代行(RPO)が採用戦略の立案や面接代行など、より広範囲の業務をカバーするのに対し、委託募集は「応募者を集めること」に特化している点が大きな違いです。採用代行(RPO)サービスの費用内訳イメージ採用代行(RPO)サービスの費用は、単に「採用代行費」として一括りにされるだけではありません。さまざまな要素で構成されており、主な内訳を把握することで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。まず、直接的な採用活動にかかる費用として、媒体費やスカウト費が挙げられます。媒体費やスカウト費は求人サイトへの掲載料や、ダイレクトリクルーティングで候補者へ送るスカウトメールの費用です。また、多くの採用代行(RPO)サービスでは、応募者管理システム(ATS)や、定型業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)を導入しているため、これらのシステム利用料も費用に含まれます。さらに、応募者への一次対応を効率化するためのコールセンター費用が含まれることもあります。これらの直接的なコストに加えて、見積もりに明記されにくい隠れコストも存在します。具体的には、サービス開始前の採用戦略の初期設計費用や、プロジェクト全体の管理費、進捗状況を可視化するためのダッシュボード作成費用などです。隠れコストは、サービスの品質や提供範囲によって変動するため、事前に詳細を確認することが重要です。採用代行(RPO)の費用は、これらの要素を総合して算出されており、企業がどこまで代行を依頼するかによって内訳が大きく変わることを理解しておきましょう。採用代行(RPO)サービスを選ぶ際のポイント採用代行(RPO)サービスは、種類や料金体系が多岐にわたるため、自社に最適なサービスの見極めが重要です。ここでは、採用代行サービスを選ぶ際の3つのポイントについて、詳細に解説します。費用の内訳は適切・明確か採用代行(RPO)サービスを選ぶ際、提示された費用がどのような内訳になっているかを詳細に確認することが重要です。単に「月額〇〇万円」という総額だけでなく、その中に含まれる求人媒体費、スカウト費用、システム利用料などが明確に示されているかを確認しましょう。内訳が不明瞭な場合、後から追加費用が発生するリスクがあるため注意が必要です。また、自社の予算に合わせて、必要なサービスだけを柔軟に選択できるかどうかも、適切なコスト管理の鍵となります。業務範囲・支払い条件は自社に合っているか採用代行(RPO)サービスを選ぶ際は、自社の採用課題を解決できる業務範囲と、予算に合った支払い条件を明確にすることが重要です。採用代行(RPO)サービスは、企業ごとのニーズに合わせて業務範囲をカスタマイズできます。まずは、自社が抱える課題(例:ノンコア業務の負担が大きい、母集団形成がうまくいかないなど)を明確にしましょう。その上で、課題を解決できる業務範囲をサービス側が提供しているかを確認します。また、支払い条件(月額固定、成果報酬など)が自社の採用計画やキャッシュフローに合っているかも、重要な選定ポイントです。コストに見合った成果が得られるか(実績はあるか)採用代行(RPO)サービスを選ぶ上で最も重要なのは、支払う費用に見合った成果が得られるかどうかです。そのため、採用代行(RPO)業者が過去にどのような企業で、どのような採用実績を出しているかを確認することが不可欠です。特に、自社と同じ業界や職種での実績、特定の採用課題を解決した成功事例などをヒアリングしてみましょう。実績豊富な業者であれば、より確実な成果が期待できます。また、担当者の専門性やコミュニケーション能力も、サービスの質を左右する重要な要素です。採用代行の費用まとめ採用代行(RPO)は、企業の採用活動を効率化し、質の高い人材を確保するための有効な手段です。費用は、月額一律料金型、従量課金型、成果報酬型といった料金体系や、採用する人材の属性(新卒・中途・専門職など)、依頼する業務範囲(コア業務・ノンコア業務)によって大きく異なります。採用代行(RPO)を検討する際は、提示された費用の内訳が明確か、自社の課題に合った業務範囲と支払い条件が提供されているか、そしてコストに見合った成果(実績)があるかを総合的に判断することが重要です。本記事を参考に、自社の採用課題を解決し、事業成長を加速させる最適な採用代行(RPO)サービスを見つけてください。見積もりを見て決めたい、費用の相談をしたい等、まずは無料で相談できるのが、アズライトの採用代行サービスです。一貫した採用コア業務のみでなく、ノンコア業務も依頼できるので、費用を抑えた設計も可能です。月10万円〜というローコストで依頼できるのは嬉しいポイントです。